「カレーの熟成を促進させる一日」
2008年 11月 16日
煮物は、作った後、冷めて行く瞬間に美味しさがしみこんでゆくそうだ。
したがって、よく味のしみた煮物を作るには、「冷ます」→「温め直す」を何度か繰り返せばいいという。
一晩経った後のカレーが美味しいのも、この原理に基づくものらしい。
「冷ます」→「温め直す」のプロセスを繰り返すことにより、より熟成させたカレーが食べられるのではないだろうか。
【実験概要】
カレーを作る→冷ます→温める→試食→メモ→冷ます→温める→試食(以下繰り返し)
【材料】
豚バラ、タマネギ、ニンジン、ジャガイモ、カレールー、ピューレトマト
いかにも「カレー作ります!」って買い物カゴ
【ポイント】
このピューレトマトが如何にカレーに馴染むかを手がかりに、カレーの熟成具合をチェックしたい。(トマトには色々と旨味成分が入っているが、単にカレーに入れると酸っぱさが際立ってしまうのだ)
それでは、カレーを作ります。
カレーを作るのって、
簡単だなーと思う
ご飯も炊けたよー!
それでは、試食をスタート。
熟成ゼロ
「エッジの立った個性派」
【味】
まずは熟成をさせていない、作り立てのカレーを試食。
これが予想以上に旨い。辛口なジャワカレーに、トマトの酸味が絶妙に合う。バラ肉もジューシー、口に入れると脂の旨さがよくわかる。ニンジンがちょっと固いが、歯触りに変化が付いて面白い。
【例え】
それぞれの要素の個性が高いレベルで絡み合い、高度なジャズセッションのようだ(よく知らないけれど)。
【評価】
スパイシー☆☆☆☆☆
コク 無し
トマトのシンクロ具合☆
(以下、TS)
熟成させなくてもかなり旨いことにショック。
熟成させたらどうなるのかな?
冷ますのには一苦労、凍らせたペットボトルを使ってます
熟成1回
「お前もずいぶん丸くなったな」
【味】
熟成(冷ます→温めるを)1回。驚いた、これだけで随分味が違う。全体的にコクが出て来た。
カレールーの辛さと、トマトの酸味は少しだけ落ち着いている。たぶんカレー全体が混ざり合っているからだろう。
【例え】
あれー、学生時代は結構やんちゃしていたけれど、ネクタイを締めるようになったら君も変わったねー、と言かわれてる新社会人。でも耳にはまだピアスの穴が。
【評価】
スパイシー☆☆☆☆
コク☆
TS☆☆
やっぱり熟成させると旨い。どんどん熟成させましょう。
熟成2回
「結婚、出産を経て落ち着きました」
【味】
味が詰まって来た。熟成ゼロのカレーは一口食べると色々な味がしたが、段々味が収束しているような感じを受ける。トマトは徐々にバックに控えるようになってきた。コクは高まってきている。
【例え】
昔はあんなお転婆だったあの娘が、子供を産んだらどっしりとした迫力が出て来た、やっぱり女の人には敵いませんなー、とか言われている。
【評価】
スパイシー☆☆☆
コク☆☆☆
TS☆☆☆
さて、飛ばしてゆきましょう。
熟成5回
「キミ、濃いなー」
【味】
少しずつ水分が抜けてモッタリしてきた。味はとても濃厚!コクの奥深さを感じる。トマトは完全に隠し味に徹した。
【例え】
35歳くらいまで世界の戦場を駆け巡って来たカメラマンが、日本の安い居酒屋(大阪の新世界辺り)でサラリーマンと意気投合。朴訥な語りではあるが、彼の言葉の端々には瀬戸際をくぐって来た人間のすごみが感じられるのであった。
【評価】
スパイシー☆☆☆
コク☆☆☆☆☆
TS☆☆☆
更なる濃厚さを目指して!
熟成8回
「遊びがない、ギリギリ感」
【味】
ここで、風味ががくんと落ちた。味が真っ平らになった、って印象。やっすいレトルトのカレーみたいだ。更に、水分が少ない。もそもそとした歯触りがする。
【例え】
全てを会社に捧げて来たベテランサラリーマン。しかし、折しもアメリカのサブプライムローンに端を発した不況で会社が潰れてしまった。今までの経験は相応にあるが、もう若くもないし、これをどう生かしたら良いのやら…そもそも、俺のやりたいことってなんだったんだっけ。
【評価】
スパイシー☆
コク☆☆
TS☆☆☆☆☆
何か打開策を考えなくては行けない。
熟成10回
「マズい」
【味】
どうにも水分が足りないので、豆乳で延べる。ついでにしめじとほうれん草をオリーブオイルで炒めて追加。これが大失敗。マズい。ひたすらマズい。豆乳が悪い方向に行っている。しめじの香りががせめてもの救いか。
見た目も悪いので、写真はのせません。
【例え】
会社クビになったから、思い切って新しいこと始めてみよう。昔からあこがれていたソバ屋を開業するぞ。周りは反対しているけれど、かまうものか。
【味】
スパイシー 無し
コク 無し
TS 無し
ここで、熟成は終了です。
まとめ
・できたてのカレーは旨い
・たしかに冷やす時にカレーは熟成されるようだ
・熟成されると、スパイシーさは少なくなり、コクが出てくる
・熟成しすぎると、ある時に突然旨くなくなる
・したがって、カレーにも喰い時というものがあるのだ
・熟成の結果は、人間が年月を経て成長してゆく様に少し似ていると思う
・人生は奥深い
調査する前には30回とか50回とか熟成を繰り返せば、とんでもなく、おいしいカレーが出来るかと思った。出来立てのカレーが思いの外旨かったことにショック。
したがって、よく味のしみた煮物を作るには、「冷ます」→「温め直す」を何度か繰り返せばいいという。
一晩経った後のカレーが美味しいのも、この原理に基づくものらしい。
「冷ます」→「温め直す」のプロセスを繰り返すことにより、より熟成させたカレーが食べられるのではないだろうか。
【実験概要】
カレーを作る→冷ます→温める→試食→メモ→冷ます→温める→試食(以下繰り返し)
【材料】
豚バラ、タマネギ、ニンジン、ジャガイモ、カレールー、ピューレトマト
いかにも「カレー作ります!」って買い物カゴ
【ポイント】
このピューレトマトが如何にカレーに馴染むかを手がかりに、カレーの熟成具合をチェックしたい。(トマトには色々と旨味成分が入っているが、単にカレーに入れると酸っぱさが際立ってしまうのだ)
それでは、カレーを作ります。
カレーを作るのって、
簡単だなーと思う
ご飯も炊けたよー!
それでは、試食をスタート。
熟成ゼロ
「エッジの立った個性派」
【味】
まずは熟成をさせていない、作り立てのカレーを試食。
これが予想以上に旨い。辛口なジャワカレーに、トマトの酸味が絶妙に合う。バラ肉もジューシー、口に入れると脂の旨さがよくわかる。ニンジンがちょっと固いが、歯触りに変化が付いて面白い。
【例え】
それぞれの要素の個性が高いレベルで絡み合い、高度なジャズセッションのようだ(よく知らないけれど)。
【評価】
スパイシー☆☆☆☆☆
コク 無し
トマトのシンクロ具合☆
(以下、TS)
熟成させなくてもかなり旨いことにショック。
熟成させたらどうなるのかな?
冷ますのには一苦労、凍らせたペットボトルを使ってます
熟成1回
「お前もずいぶん丸くなったな」
【味】
熟成(冷ます→温めるを)1回。驚いた、これだけで随分味が違う。全体的にコクが出て来た。
カレールーの辛さと、トマトの酸味は少しだけ落ち着いている。たぶんカレー全体が混ざり合っているからだろう。
【例え】
あれー、学生時代は結構やんちゃしていたけれど、ネクタイを締めるようになったら君も変わったねー、と言かわれてる新社会人。でも耳にはまだピアスの穴が。
【評価】
スパイシー☆☆☆☆
コク☆
TS☆☆
やっぱり熟成させると旨い。どんどん熟成させましょう。
熟成2回
「結婚、出産を経て落ち着きました」
【味】
味が詰まって来た。熟成ゼロのカレーは一口食べると色々な味がしたが、段々味が収束しているような感じを受ける。トマトは徐々にバックに控えるようになってきた。コクは高まってきている。
【例え】
昔はあんなお転婆だったあの娘が、子供を産んだらどっしりとした迫力が出て来た、やっぱり女の人には敵いませんなー、とか言われている。
【評価】
スパイシー☆☆☆
コク☆☆☆
TS☆☆☆
さて、飛ばしてゆきましょう。
熟成5回
「キミ、濃いなー」
【味】
少しずつ水分が抜けてモッタリしてきた。味はとても濃厚!コクの奥深さを感じる。トマトは完全に隠し味に徹した。
【例え】
35歳くらいまで世界の戦場を駆け巡って来たカメラマンが、日本の安い居酒屋(大阪の新世界辺り)でサラリーマンと意気投合。朴訥な語りではあるが、彼の言葉の端々には瀬戸際をくぐって来た人間のすごみが感じられるのであった。
【評価】
スパイシー☆☆☆
コク☆☆☆☆☆
TS☆☆☆
更なる濃厚さを目指して!
熟成8回
「遊びがない、ギリギリ感」
【味】
ここで、風味ががくんと落ちた。味が真っ平らになった、って印象。やっすいレトルトのカレーみたいだ。更に、水分が少ない。もそもそとした歯触りがする。
【例え】
全てを会社に捧げて来たベテランサラリーマン。しかし、折しもアメリカのサブプライムローンに端を発した不況で会社が潰れてしまった。今までの経験は相応にあるが、もう若くもないし、これをどう生かしたら良いのやら…そもそも、俺のやりたいことってなんだったんだっけ。
【評価】
スパイシー☆
コク☆☆
TS☆☆☆☆☆
何か打開策を考えなくては行けない。
熟成10回
「マズい」
【味】
どうにも水分が足りないので、豆乳で延べる。ついでにしめじとほうれん草をオリーブオイルで炒めて追加。これが大失敗。マズい。ひたすらマズい。豆乳が悪い方向に行っている。しめじの香りががせめてもの救いか。
見た目も悪いので、写真はのせません。
【例え】
会社クビになったから、思い切って新しいこと始めてみよう。昔からあこがれていたソバ屋を開業するぞ。周りは反対しているけれど、かまうものか。
【味】
スパイシー 無し
コク 無し
TS 無し
ここで、熟成は終了です。
まとめ
・できたてのカレーは旨い
・たしかに冷やす時にカレーは熟成されるようだ
・熟成されると、スパイシーさは少なくなり、コクが出てくる
・熟成しすぎると、ある時に突然旨くなくなる
・したがって、カレーにも喰い時というものがあるのだ
・熟成の結果は、人間が年月を経て成長してゆく様に少し似ていると思う
・人生は奥深い
調査する前には30回とか50回とか熟成を繰り返せば、とんでもなく、おいしいカレーが出来るかと思った。出来立てのカレーが思いの外旨かったことにショック。
by technicalterm
| 2008-11-16 11:25
| コネタ